SOLIZE株式会社

内装および外装トリムの設計工数70%削減

STORY03

100年に一度の変革期に潜む製品設計開発の課題

自動車業界は100年に一度の変革期にあり、「MaaS」「CASE」「Post2020燃費基準」「独自の技術進化」に取り組むため、開発リソースを低減し、時間および人的リソースが求められています。

自動車部品メーカーのA社様は毎月のように新型車の内装および外装トリム設計を行っており、製品設計開発業務はひっ迫しています。また、要求仕様や設計要件、生産技術要件、金型要件の抜け漏れや誤りによる手戻りが発生し、余計な工数がかかっていました。

A社様から業務改善の依頼を受け、現状を確認したところ、以下の点が明らかとなりました。

  • 設計者は、意匠データや仕様が変更されるたびに設計標準を参照しながら、一からCADで図面を作成している。
    たとえばBピラーUPRトリムの設計は、作画から出図までに3日間の工数を要している。
  • 設計チェックリストを活用しているが、クリップ取り付け構造やオープニングトリムウェザストリップ規制構造などの同一構造への生産技術からの指摘、金型設計からの指摘、内装および外装トリムが完成してからの要求仕様と要件の抜け漏れや誤りは一向になくならず、新型車開発ごとに100万円の金型改修費が発生している。

現場で活きる3つの対策

SOLIZEは、以下の2点を立案しました。

  • 流用可能な部品モデルをCADで作成し、設計工数を低減する
  • 部品モデルに要求仕様と要件を反映し、設計品質を向上する

具体的な対策は以下の3点です。

  • CATIAのナレッジ機能を使用して、汎用性の高いCADテンプレートを作成する
  1. BピラーUPRトリムのベース形状
  2. クリップ取付構造
  3. オープニングトリムウェザストリップ規制構造
  4. パネル規制リブ形状
  5. 剛性リブ形状
    ※ CADテンプレートには、要件を盛り込んで作成する
  • OCR機能をRPA化し、要求仕様や要件からクリップ取り付け構造を配置する位置情報と形状タイプ、寸法を自動で読み取る
  • CADの自動化プログラムを使用して、CADテンプレートを自動で挿入する

効果を出し続けられる仕組みを実現

A社様は、意匠データや仕様が変更されるたびに設計標準を参照することはなくなり、BピラーUPRトリムの設計工数は3日間から0.5日に低減しました。また、要求仕様および各種要件の抜け漏れや誤りがゼロになり手戻りが発生しなくなったことで、金型改修費も不要となりました。

設計要件の標準化は新型車の開発ごとに変わりますが、CADテンプレートはメンテナンスがしやすいように作成しているので、すぐにアップデート可能です。この仕組みは、内装および外装トリムが存在する限り使い続けることが可能です。

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