SOLIZE株式会社

Innovation / AI

外部環境変化の中、お客さまの「潜在的な強み」を特定し、
「競争力」に変換

自社を取り囲む市場環境や外部環境が激しく変化する中にあって、企業が競争優位を維持するには、以前にも増して変革と進化をし続けられるかどうかが問われています。SOLIZEでは独自の可視化技術、形式知化技術、そして変革実行力を用いて、お客さまの潜在的な強みを特定し、競争力に変換しています。

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競争力を引き出すSOLIZEの変革力とは

あらゆる企業が時代の先を読み、常に変革することが求められています。

変革とは一過性の効果を求める活動ではなく、継続的に進化する状態をつくり出す活動である、とSOLIZEは考えています。変革活動を〈Imagine-Design-Build-Operate-Transfer-Own〉というライフサイクルで捉え、体系的で再現性のある活動をお客さまとともに作り上げ、「開発力強化」、「リードタイム削減」、「技能伝承」、「グローバル展開」、「企業をまたがる連携強化」など、さまざまな効果を創出します。

SOLIZEは、暗黙知の紐解きとファクトベースの分析からなる独自の可視化技術により、お客さまの内部にある潜在的な強みを特定し形式知にします。そのお客さまの本質的な強みを起点として、あるべき姿を描きます。そして、3DやITといったデジタル化や人や組織に落とし込むナレッジ化などの実装技術によって再現性のある業務へと変革します。さらに、私たちの強みである実行力と定着力を駆使し、組織知化することにより、お客さまの付加価値を高め、競争力強化をもたらしています。

人とAIが協調した新たな姿を構築

SOLIZEは、現場のベテランが行っている業務を「作業」と「判断」に峻別し、再現性のある業務やITへの置き換えなどで変革してきました。

ベテランの業務を切り分けてみると、業務全体の1割程度が「判断」です。ベテランが経験値をもとに何かしらの決断を下している工程です。そして、4割は毎回同じロジックで行っている「作業」、 残り半分が簡単な選択肢を与えれば非熟練者でも判断できる「選択的判断」となります。

さらには、人の行動を、”知覚”→”解釈”→”決断”→”実行”の4つと捉え、このうち、”決断”と”実行”は、ベテランが持つ膨大な経験からの暗黙知を解き明かし、残りの”知覚”と”解釈”は、独自のAI技術を用いることで、従来、紐解くことが困難とされてきた一部の「判断」を再現することが可能となってきています。

SOLIZEは、この2つのアプローチによって、人とAIが協調した新たな業務を構築します。

人とAIが協調した新たな姿を構築のイメージ

ベテランの目を代替するAI構築プロジェクト

ベテランの目を代替するAI構築プロジェクトのイメージ

製造現場のベテランのノウハウをAIによって再現させた事例の一つに、SOLIZEの3Dプリンティング工場における粉末造形を対象とした造形品質管理、診断・対処の自動化があります。

積層造形は造形後、冷却し、取り出した後に、仕上げ作業という工程がありますが、造形時間はおよそ10~20時間です。3Dプリンターのスイッチをオンするだけで良品ができるかというとそうではなく、稀ですが最悪の場合は不良品で再造形や、修正工数が発生します。高品質な造形物をつくるために、熟練エンジニアが定期的に粉面状態をチェックし、品質が低下しそうな場合はパラメータを調整しているのです。

このオペレーションのノウハウをAIに学習させ、粉面状態認識からパラメータ制御までを自動化することで、エンジニアの工数削減や造形品質向上、後工程の修正工数を削減しようとする取り組みです。

重要なのは良質な教師データを特定すること。ベテランは造形中の粉面状態から、製品の品質異常の予兆を捉えることができます。現場に張り付きその観点を紐解くと、粉面状態は12種類のパターン、そして3つの深刻度に分類できることがわかりました。また、その発生箇所によっても原因を見分けていることが明らかになったのです。

この判明した分類に基づき、蓄積した造形画像から学習用のデータを作成、ディープラーニングモデルに学習させました。また、AIによる診断結果と、熟練エンジニアの評価結果の検証を繰り返し、ライトの当て方の調整による特徴の際立たせ方などの工夫も施し、熟練エンジニアの目を代替するAIを構築することができました。このAIを活用することで、24時間、リアルタイムの粉面状態監視が可能となりました。

画像のみでは、人の認知度と同程度までの検出ですが、品質に影響を与えるパラメータとして、ローラーの振動や、温度が大きいことも明らかになっており、今では、これらを組み合わせて人を超える検知に取り組んでいます。

暗黙知を残さず記録し、未来へとつないでいく

今後のAIにおける技術的テーマとして、現在取り組んでいるデータやテキスト、画像に加えて、3D形状や音声を取り入れていきたいと考えています。動的なナレッジが対象とする実績資料に3Dデータを扱えるようになれば、さらに違った世界が見えてくるはずです。また、デザインレビューなど日々高密度に暗黙知が飛び交う場で発せられる音声から、暗黙知を形式知化することも考えています。

2007年問題から10年以上が経過し、ベテランの高齢化や労働力人口の減少、若者の製造業離れにより、現在の日本の製造業は、技術消失の危機にあります。この危機的状況に対して、SOLIZEに何ができるのか。私たちが有する、エキスパートエンジニアの暗黙知を形式知化する技術でどう貢献ができるのか。

暗黙知を残さず記録し、未来へとつないでいくのイメージ

それは過去の知見だけではなく、現場の実務の中で生み出される暗黙知を残さず記録し、後世へとつないでいくこと。これをSOLIZEの社会的ミッションと捉え、未来を創造するAIという領域で、私たちは挑戦し続けます。

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