身近な自然物を活用したものづくり。そこにデジタルエンジニアリングの技術を活用し、これまでにない新たな可能性を見出すこと。これが「関係のレッスン:Dialogue with Trees #100」の狙いです。
技術が進歩したことで、デジタル上で扱えるものごとの解像度や自由度は大きく上がり、情報量の多い自然物とデジタルはとても相性が良くなっています。ヒトにとってなぜだか魅力的な自然物の造形が、デジタルの技術によって引き出され、さらなる魅力が付与される。そんなものづくりがこれからの社会に求められていくのではないか、そういう期待感を持っています。展覧会「関係のレッスン:Dialogue with Trees #100」を開催し、多くの皆さまに来場いただき、たくさんの好意的な声をいただいたことは、その一つの証しだったのではないかと感じています。
今回の活動ではTAKT PROJECTという心強いパートナーと共に、技術をとおして素材とどう関わるのかという、ものづくりに内在する根源的な問いと向き合ってきました。どうしてもエンジニアは目標や目的からのトップダウン志向になりがち。でも、現代社会の課題を生んでいるのは、その人間中心的で限定的な合理性にあるように思います。今回の作品制作の過程で得られた「対話するような素材との向き合い方」は、私たちのそうした在りようを変える足掛かりとなるでしょう。自然に委ねたり、手間を惜しまなかったり、変化を楽しんだり。そうした何か手放す感覚と、人が何か達成しようとする目的志向との接続、ここにこの先目指すべき身近なものづくりがあるのだと考えていますし、これからも追求と実践をしていきたいと考えています。
ご来場いただいた皆さま、あらためてありがとうございました。
SOLIZE Holdings株式会社
サステナブルクリエイティビティラボ 所長
小林 紀知
開催概要および会場の様子
SOLIZE Holdings株式会社の長期ビジョンに基づく調査研究活動を行うサステナブルクリエイティビティラボ(Sustainable Creativity Lab、以下SCL)とTAKT PROJECT Inc.は、自然物とデジタルテクノロジーで新たなデザインの可能性を提示する展覧会「関係のレッスン:Dialogue with Trees #100」を、2025年11月22日(土)から11月30日(日)まで、AXIS Galleryにて共同で開催しました。
会場では、あたかも自然の枝がそこにあるかのように、作品を床に展示しました。来場者の皆さまには靴を脱いで入場していただいたこともあり、床に座って作品を手に取り、じっくりと鑑賞される方が多く見られました。
展示作品
SOLIZEグループは、1990年の創業以来、デジタルテクノロジーを活かしたものづくりの革新を追求してきました。そのなかでSCLは、「本質的に美しいものづくり」をコンセプトに、作り手・使い手・素材・その場の関係性から生まれる自然発生的で持続可能なものづくりを志向し、日々デジタルテクノロジーの新たな活用方法を探求しています。
2024年からは、TAKT PROJECT社との共同研究を通じて、デジタルテクノロジーを素材や関わる人の能力を拡張する存在と捉え、その活かし方を模索してきました。本展覧会では、身近な素材である「木の枝」を取り上げ、3Dプリント技術と組み合わせることで、枝に内在する美しさを表現した100点以上の作品を展示しました。
展示作品例
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©小川真輝/©Masaki Ogawa
来場者のコメント
会期中、ご来場いただいた皆さまから、以下のようなコメントをいただきました。
- 日本の華道や俳句を思わせる余白や繊細さがあり、静かにひきつけられた。
- 普段は見過ごしている自然の構造や数式的な美しさに気づかされ、鑑賞する行為そのものが体験になっていた。
- 持続可能な社会に向けて、自然の素材とテクノロジーを創造的に用いる姿勢と、地域循環のものづくりという考え方に強く共感した。
- 完成した形だけではなく、思考や試行錯誤の過程が感じられ、ものづくりへの姿勢の変容が伝わってくる展示だった。
- 偶然性を含んだ素材に対して、デジタル技術が控えめに寄り添うことで、かえって素材の個性や存在感が際立っているように感じた。
- どのような思考や工程を経てこの形に至ったのか、制作の背景まで知りたくなった。
- 空間に置かれたときの佇まいが想像でき、インテリアや教育、ワークショップなどへの広がりも感じられた。
- この先どのように更新され、変化していくのかを追いかけてみたくなるプロジェクトだと思う。
- 関連コンテンツ
- 2025年10月27日プレスリリース:
SOLIZE Holdings × TAKT PROJECT共同展覧会「関係のレッスン Dialogue with Trees #100」2025年11月22日からAXIS Galleryで開催 自然物とデジタルテクノロジーで新たなデザインの可能性を提示 - サステナブルクリエイティビティラボ:
https://www.solize.com/corporate/stl/






