M&A
M&A事例紹介
株式会社フューレックス
株式会社フューレックス(本社:愛知県名古屋市、従業員数:約130名)は、ITエンジニアのアウトソーシングで事業を拡大してきました。特に組み込み制御ソフトの開発支援においては、自動車産業のお客さまから高い評価をいただいており、現在では受託開発や業務系のアウトソーシングなども手掛け、東海エリアで確固たる存在感を確立しています。順調に成長を続けてきたフューレックスがM&Aを決断した背景には、牛田 富也代表取締役社長による次世代を見据えた戦略がありました。
フューレックスの事業内容について教えてください。
牛田業務ソフトウェアやWebシステム、スマホアプリなどの受託開発を行う「ビジネスソリューション事業」、技術者がお客さま先に常駐し、業務系システムの開発から運用・保守までを行う「ITソリューション事業」、そして車載関連制御ソフトウェアや組み込みソフトウェアの開発業務支援を行う「メカトロニクスソリューション事業」の3つが大きな柱です。
地域密着でビジネスを展開していますが、地域的に自動車産業のお客さまが中心でしょうか。
牛田メカトロニクスソリューション事業については、大手自動車メーカーをはじめとする系列企業のお客さまが中心ですが、東海エリアは産業機械、精密機器、航空宇宙、遊戯機器など、さまざまな分野の製造業が発達しており、そうしたお客さまの開発や業務支援も行っています。さらに、ITソリューション事業については、鉄道や通信、ITベンダー、物流など、お客さまの業種は本当に多岐にわたります。
M&Aを検討されたきっかけを教えてください。
牛田私たちのビジネスにおける最大の課題は、「採用」と「教育」です。フューレックスは、東海エリアではそれなりに認知度があり、お客さまからも信頼していただいていると自負しています。しかし、採用となるとBtoB企業ということもあり、学生や転職希望者の皆さんには、なかなか馴染みがありません。ただでさえ少子化で企業の採用が厳しくなっているなか、昨今は大手メーカーがシステム開発を内製化する傾向が強まっており、今後さらにエンジニアの獲得競争が激化することが予想され、大きな危機感を抱いていました。
また、ITの技術革新に対応していくためには、エンジニアの教育は必要不可欠です。さらに私たちは、従来のSES(システムエンジニアリングサービス)中心のビジネスモデルから受託開発へとシフトしていく計画です。そのためには、より質の高いエンジニアを育成することが必要ですが、その教育には大きなリソースが必要です。
規模感のある企業グループの一員となることで、採用に有利なブランド力を得て、投資やリソースを活用し継続的な教育を推進していきたいと考えました。今後直面するであろう課題や事業拡大の展望を見据え、戦略的に検討した結果が、M&Aという選択肢でした。
2025年5月にSOLIZEグループの一員となられました。SOLIZEグループを選んだ理由を教えてください。

牛田M&A仲介会社も驚くほど多くの企業からお声がけいただきました。最終的に数社に候補を絞り込み面談をしましたが、SOLIZEグループのほか、ファンドと採用のポータルを持っていらっしゃる会社ともお会いしました。そのなかで、当社の企業文化を見てくれたのがSOLIZEグループでした。
私は「フューレックスはどんな会社ですか?」と聞かれると、必ず「風通しのよい会社です」と答えます。「こんなことをやりたい」「これはおかしい」「ここはこのように改善したほうがいいのではないか」など、社員が自由に発言できる雰囲気づくりと、そのような意見がきちんとマネジメント層に伝わる仕組みづくりを長年行ってきました。風通しのよさは、人財が何よりの資産である当社の最大の強みです。
ファンドの方は、社風よりも数字や経営効率を重視されていましたし、採用に強い会社の方は独自のやり方があり、私たちがそれに合わせていく必要があるように感じました。
一方、SOLIZE Holdings株式会社 代表取締役社長CEOの宮藤さんと、+81株式会社 代表取締役社長の鈴木さんからは、「グループに参画しても自主自律で経営してほしい」と言われました。
事業会社が事業特性に沿った「自主自律経営」を実践し、事業拡大に注力していくことは、中長期の成長目標の実現に向けたSOLIZEグループの大きな方針の一つです。
牛田フューレックスの企業文化を理解し、尊重してくれたことが、SOLIZEグループに決めた最大の要因です。
グループに参画する前後で、変化はありましたか。
牛田最初は「自分たちの会社が買われた」というネガティブな感情を持った従業員もいたと思います。最初に変化が表れたのはマネジメント層でした。PMI(Post Merger Integration:M&A成立後の経営統合プロセス)を通じて、私自身も含め、中小企業で「会社ごっこ」をしていたのだということを初めて認識しました。数字の管理方法や見通しの立て方などが大きく変わり、内部統制も導入され、経営というものを各自があらためて意識するようになったのだと思います。以前は、リーダーが自分の部署や組織のことだけを考える傾向がありましたが、会社全体のことを考えて行動するようになったと感じます。
エンジニアの皆さんの反応はいかがですか。
牛田SES業界は離職率が高く、業界平均で10%を超えています。当社では、エンジニアがチームを組み、新入社員や若手の疑問や不安に対して先輩がすぐにフォローできるよう、風通しのよい会社づくりに取り組んできました。その結果、昨年は離職率を8%まで下げることができました。今年度はさらに5%程度まで下がっています。おそらく、SOLIZEグループに参画したことへの期待感も反映されていると思います。
経営課題への懸念は払拭されつつありますか。
牛田採用については、+81の採用部門が私たちの目線に合わせてサポートしてくれています。新卒採用では、最終的に親御さんの意見が内定承諾に大きく影響しますが、上場企業のグループ会社であることで親御さんも安心され、内定承諾率が上昇しています。今後も、SOLIZEグループのブランド力を活かしていきたいです。
教育については、具体的な取り組みはこれからとなりますが、SOLIZEグループには同じくソフトウェア開発を手掛ける株式会社STELAQもあるので、リソースの共有やアライアンス的な取り組みにも注力したいと考えています。
フューレックスの今後の展望を教えてください。
牛田フューレックスとしては、これまで成長率15%を目指してきましたが、今後はSOLIZEグループ全体の「2033年に売上高1,000億円」という成長目標に連動し、25%の成長率を目指していきます。そのためには、採用計画を着実に達成することと、受託開発を拡大するためにエンジニアの質を向上させることが重要です。決して容易な目標ではありませんが、これらのサイクルがうまく回れば、実現可能だと考えています。さらに、STELAQだけではなく、SOLIZEグループ内にはSOLIZE PARTNERS株式会社やSOLIZE Ureka Technology株式会社が持つエンジニアリングやテクノロジー、そして私たちの直近の課題でもあるAIに関する知見などもありますので、今後はグループとしてのシナジーも最大限発揮していきたいと考えています。
お客さまとの長年にわたる関係は非常に重要だと考えていますので、今後も私たちはここ愛知県で地域に根差して事業に取り組んでいきます。また、SOLIZEグループのリソースを活用することで、他地域のお客さまの業務にも対応できると考えています。
M&Aによる譲渡を検討している会社に伝えたいことはありますか。

牛田業績が悪くなってきたからM&Aを検討しても、正直遅いと思います。経営が順調な時こそ、今後どうしていくかを戦略的に考えるべきです。フューレックスは内部留保があり、経営的な不安に直面していたわけではありませんが、今後を見据えてM&Aという決断をしました。発表する前日まで、「この決断が正しかったのか」と自問自答する日々が続きましたが、結果的にSOLIZEグループの一員となったことで、会社全体に安定感と安心感が生まれたと感じています。今はこの決断が正しかったと、自信を持って言うことができます。
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