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2018.02.13

お知らせ

モデルベースシステムズエンジニアリング(MBSE)の重要性が増す中、SOLIZEグループと芝浦工業大学が要求仕様の品質向上で共同研究

製造業におけるグローバルな製品開発パートナーのSOLIZEグループ(本社:東京都千代田区、代表: 篠原敬一、以下SOLIZE)の100%子会社であるSOLIZE Engineering株式会社(本社:神奈川県大和市)は、芝浦工業大学工学部情報工学科の中島毅教授と、「要求仕様の品質向上に向けた日本語固有の語彙体系に対する評価基準とパターンの構築」と題する共同研究を行っています。

自動車や航空宇宙産業において、開発のグローバル化が進行し、システムが複雑化·多様化するのに伴い、要求定義の重要性が高まってきています。しかし、日本における従来の擦り合わせを中心とする開発体制では、要求が曖昧なまま開発が進行し、誤った実装につながるケースが増加しています。そのような背景のもと、日本の各産業界でも要求仕様の品質向上に対するニーズが高まっています。要求仕様文章の品質チェックを行う技術は英語圏で先行していますが、それをそのまま日本に導入することは、日本語固有の語彙体系や文章パターンの違いがあるため困難です。今回の共同研究では、海外事例を参照し、日本語固有の要素を考慮して要求仕様文章の評価基準および文章パターンの定義を行うことを目的としました。

本研究において芝浦工業大学の中島教授は、日本語要求仕様に対する記述ルールの提案(INCOSEガイドラインのルールの適用可能性の評価と日本語対応ルールの提案)、ならびにルールチェック機能の実装時における評価方法と評価基準の提案を担当されます。

SOLIZE EngineeringのMBD(モデルベース開発)事業部は、上記に必要なツール関連の技術情報の提供、ならびに提案ルールについて、評価方法と評価基準のチェック機能への実装と評価を行います。

本研究では、INCOSEの要求記述ガイドライン(Guide for Writing Requirements)のうち、要求仕様文単文のルールについて精査し、日本語において同等のルール、およびそのルールを定量的に評価するための測定指標を定義しました。その結果、日本語で記述された要求仕様においても一定の品質向上を実現できることが確認できています。

なお、本研究のツール関連の技術情報のベースとなっているのは、弊社がパートナー契約をしている意味解析技術(Semantic Analysis Technologies)のアプリケーションを提供するThe REUSE Company社(スペイン)によって開発された要求品質向上のためのソフトウェアツール群「Requirements Quality Suit(RQS)」です。

本研究を担当された中島教授は次のように述べています。
「開発するシステムが複雑になればなるほど、また、多くの人間が関われば関わるほど、ますます要求定義の重要性が増すことになります。決められた語彙・用語・スタイルで要求仕様を記述し、それをステークホルダ間で共有することが、システムズエンジニアリングプロジェクトの成功の鍵となるので、こうしたツールの支援はとても有効だと思います。」

芝浦工業大学工学部情報工学科ソフトウェア工学研究室 中島毅教授について

おもにシステムとソフトウェアに対する品質要求の定義・測定・評価に関する研究を行っており、ISO/IEC 25030 品質要求(改定)の国際プロジェクトエディタを務めています。

主な研究テーマ:

  • ソフトウェア要求トレーサビリティ
  • ソフトウェアプロダクトライン
  • ソフトウェア技術者の教育
  • ソフトウェアレビュー
  • IoTシステムに対するソフトウェア工学

主な論文:

「ピアレビュー網羅率を用いた品質評価技法の提案」
情報処理学会論文誌 Vol.53, No.2, pp. 622-630(2012年2月)
久野倫義,中島毅

「IT システム分類と品質特性の関係についての一考察」
情報処理学会ソフトウェア工学研究会SE-189,2015年7月, pp. 1-7
中島毅,中山優紀,谷津行穗,東基衞

「タグ情報による要求トレーサビリティリンクの構築と可視化」
情報処理学会ソフトウェア工学研究会SE-187-46, 2015年3月, pp. 1-6
徳本 修一,谷垣 宏一,高橋 洋一,中島 毅(三菱電機)

SOLIZEグループについて
SOLIZEグループは、自動車産業を中心にさまざまな産業において、製品設計・解析、MBD(モデルベース開発)領域でエンジニアの派遣や受託開発を行うエンジニアリングサービス、日本で最大級のキャパシティを持つ3Dプリンターによる試作を行う3Dプリンティングエンジニアリングサービス、さらに、開発や業務プロセスの変革の実行から定着までを行う変革エンジニアリングサービスなど、製品開発に関わる事業を展開しています。また、SOLIZEグループはグローバル展開を積極的に推進しており、これまでに米国、欧州、インド、中国で事業を拡大してきました。

SOLIZE Engineeringについて
約1,000 名のエンジニアを有するSOLIZE Engineeringは、自動車業界を中心に3D CAD/CAEや、近年需要が拡大しているモデルベース開発(MBD)のエンジニアリングサービスを提供しています。

本参考資料のPDF版はこちら[182KB]PDf

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