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[No.33] パウダーベッド方式の金属3DプリンターでのDfAM - サポートが必要な理由① -

2019.07.15

3Dプリント 金属造形

パウダーベッド方式の金属3Dプリンターでは、製品形状によってはサポートと呼ばれる保持形状を同時に造形する必要があります。サポートを必要とする代表的な形状として「オーバーハング形状」が挙げられます。オーバーハングとは、Fig.1のサンプルのように、造形品側面と粉面の角度θが90°以下になることを指します。面荒れとソリを抑制するために、一般的にオーバーハング角度が45°以下の場合はサポートが必要であると言われています。

SOLIZEが所有している3D Systems社製の造形機ProX300は、ローラータイプのリコーターで粉面を圧縮することが可能なため、最小30°までサポートなしで造形が可能です。

オーバーハング形状サンプル Fig.1 オーバーハング形状サンプル

オーバーハング45°の模式図 Fig.2 オーバーハング45°の模式図

オーバーハング30°の模式図 Fig.3 オーバーハング30°の模式図

Fig.2とFig.3は、異なるオーバーハング角度の造形品のレーザー溶融の軌跡をブロックで模式化した図です。n層目のオーバーハングになる距離を赤で表しています。赤い部分が長くなれば、その分面荒れやソリによる変形も大きくなるため、リコーターとぶつかってしまい、造形停止や造形品破損といった不具合の原因につながります。

上記のように、3Dプリンターには切削やダイカスト等の既存工法とは異なる生産技術要件が求められるため、製品設計の段階から工法による制約を盛り込むことが肝要です。3Dプリンターの特性に合わせた製品設計はDfAM (Design for Additive Manufacturing) と呼ばれています。

次回以降のコラムでDfAMについて詳しくご紹介します。

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